JABEE認証取得について

2014年総合システム工学科はJABEE認証を取得いたしました。

プログラム名:総合システム工学科
工学(融合複合・新領域)および関連のエンジニアリング分野

※日本技術者教育認定機構ウェブサイトはこちらです。

 総合システム工学科における技術者教育プログラムについて

技術者教育プログラムとは

日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education1(JABEE))が、「国際的に通用する技術者を育成する教育プログラム」と認定した教育コースであり、国際的基準(ワシントン合意)で「教育の質」が保障されたプログラムであります(図1)。教育版ISOとも言われています。現在、ワシントン合意加盟国は、アメリカ、カナダ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、フィンランド、南アフリカ、香港であり、暫定加盟国が日本、ドイツ、シンガポール、マレーシアです。今後、世界中に広まっていく可能性が大です。

図1 技術者教育プログラムの役割


JABEEで認定されたコースを履修すると?

技術者の資質国際的なレベルで競うような分野の企業では、当然、認定を受けたコースの学生を優先的に技術者として採用することになります。また大学卒業後、海外にて業務を行う場合、認定コース修了者のみが工事や施工、または技術指導への従事を許可されるということがあります。さらに、わが国には従来から技術士の制度がありますが、このJABEE認定教育プログラムを修了すると、技術士第一次試験が免除されて、従来の技術士補の相当する「修習技術者」として直接実務修習に入ることができることになります(図2)。

図2 JABEE認定教育課程修了から技術士への道

また、FE (Fundamentals of Engineering)試験に対応できる教育・学習が可能となる。【FE (Fundamentals of Engineering) :アメリカのPE試験の一次試験(工学士取得見込みの4年生以上が国内で受験可能)、PE(Professional Engineer):国際業務に求められる技術者の資格(PE取得後4年間の実務経験の後、受験資格)】


どのようにしてJABEE認定プログラムを終了するか?

国際的に通用する技術者を育成するための「学習・教育目標」を達成するために設定された、「学習・教育の量」を満たし、またそのための「カリキュラム」に沿った科目の単位を取得すれば、この教育プログラムを修了したと認定されます。

 認定の基準となる学習教育目標

(1) 自立した技術者の育成を目的として、下記の(a)〜(i)の各内容を具体化したプログラム独自 の学習・教育目標が設定され、広く学内外に公開されていること、また、それが当該プログラムに関わる教員および学生に周知されていること。

(a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
(b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
(c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力
(d) 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力

(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
(2) いくつかの工学の基礎的な知識・技術を駆使して実験を計画・遂行し、データを正確に解析し、工学的に考察し、かつ説明・説得する能力
(3) 工学の基礎的な知識・技術を統合し、創造性を発揮して課題を探求し、組み立て、解決する能力
(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し、適切に対応する基礎的な能力
(e) 種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
(f) 論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
(g) 自主的、継続的に学習する能力
(h) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
(i) チームで仕事をするための能力


(2) 学習・教育目標は、プログラムの伝統、資源、卒業生の活躍分野等を考慮し、また、社会の要求や学生の要望にも配慮したものであること。

総合システム工学科の学習・教育目標(2014年度以降)はこれらの基準に基づいています。総合システム工学科の学習・教育目標は以下のものです。

(A)人文・社会科学を学び、広い視野でものごとを見ることができる豊かな教養を身につけます。
(B)技術者倫理に基づき、技術者としての強い社会的責任感と、技術が自然に及ぼす影響を理解し、技術者として正しい判断力を身につけます。
(C)数学、物理学などの基礎学力と情報技術に関する知識を備え、それらを柔軟に応用できる能力を身につけます
(D)機械工学や電気電子工学を中心とする複数の専門分野をバランスよく学び、工学の複合的・融合的な諸問題に取り組める能力を身につけます。
(E)技術者として新たな課題を自ら設定し、与えられた制約の下で課題解決に向けて、各人の役割の中でリーダーシップをとって、継続的に計画と実行ができる能力を身につけます。
(F)国際的に通用するコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を身につけます。
(G)確かな基礎学力と複数の専門分野に関する高度な知識を有した数学教員や工業教員としても活躍できる能力を身につけます。

上記学習・教育目標に基づいた総合システム工学科の授業科目は以下の通りです

 
(A)人文社会学系科目

 人文社会系の選択必修科目「哲学T、U」「倫理学T、U」「歴史学T、U」「文学T、U」「心理学T、U」「教育心理学」「教育学T、U」「教育原理」「教育社会学」「法学」「日本国憲法」「社会学T、U」「経済学T、U」「政治学T、U」「地域研究T、U」「職業と社会A,B,C」「日本語表現A,B,C」を習得することで人文・社会科学の基礎知識を身につけ、試験や演習・レポート等により評価する。
 選択科目である副専門人間科学科目「哲学と現代T、U」「西洋社会史T、U」「日本政治論T、U」「地域経営論」「産業組織論」「教育システム論」「健康スポーツ科学論」「選択日本事情A、B」では、人文・社会科学の知識を深め、試験や演習・レポート等により評価する。
 保健体育系科目である「スポーツ運動学実技A、B」(必修)では健康科学の教養を身につけ、スポーツ活動への参加・成績の集計結果を基にしたレポート等により評価する。
 「工学と環境」(選択必修)では自分を取り巻く環境について理解を深め、レポート、期末試験で評価する。
 「総合システム工学ゼミナール」「卒業研究プロジェクト」(必修)において、各自の卒業研究のテーマと社会の関わりについて考察した結果を、卒業論文及びプレゼンテーションにより評価する。

 上記科目のうち必修科目である「スポーツ運動学実技A、B」「総合システム工学ゼミナール」「卒業研究プロジェクト」の単位を取得し、人文社会系の選択必修科目から5科目以上の単位を取得することにより、学習・到達目標を達成する。


(B)技術者倫理

 選択必修科目の「工学と環境」では地球環境に対する工学の役割を学び、「工学倫理・安全工学」では社会における技術者の役割・責任を学ぶことで、技術者倫理を習得する。レポート、期末試験で評価する。
 「総合システム工学入門PBL」(必修)において、グループ学習によるPBLを通してチームとしての行動力、判断力を育てると共に、チーム内の与えられた役割を果たすことで責任感を育成する。レポート、コミュニケーション、プレゼンテーションで評価する。
 「経営管理・知的財産権」(選択)において、経営戦略、マーケティング、組織論について広く知識を習得し、期末試験で評価する。

 上記科目のうち必修科目である「総合システムPBL」の単位を取得し、「工学と環境」と「工学倫理・安全工学」のいずれかの単位を取得することにより、学習・到達目標を達成する。


(C−1)数学の基礎学力

 必修科目「解析学T」「線形数学T」「基礎数理総合演習T」を履修することで数学の基礎を理解・習得させ、基礎的な問題を解く力を試験及び課題・演習等で評価する。
 また、選択必修科目「解析学U」「線形数学U」「微分方程式」「複素解析学」「統計学」「代数学」「基礎数理総合演習U」「応用数理A,B」や、選択科目「応用数理,C,D」の履修により数学の基礎から応用を理解・習得させ、応用力を試験及び課題・演習等で評価する。
 上記必修科目のうち3科目を取得する。

(C−2)物理・化学の基礎学力

 必修科目「力学基礎」「基礎電磁気学」「化学T」「基礎数理総合演習T」「物理学実験」を履修することで物理の基礎を理解・習得させ、基礎的な問題を解く力を試験及び課題・演習等で評価する。
 また選択必修科目「熱と波動」「基礎量子力学」「基礎数理総合演習U」「化学U」「物質科学T、U」「量子力学」や、選択科目「原子力概論」「統計力学」の履修により物理の基礎から応用を理解・習得させ、応用力を試験及び課題・演習等で評価する。
 上記必修科目のうち5科目を取得する。

(C−3)情報技術に関する基礎学力

 必修科目「情報リテラシー」「情報PBL」「情報処理基礎」「情報処理応用」「図形情報科学」を履修することで情報技術に関する基礎理論および技術を理解・習得させ、基礎的な問題を解く力を試験及び課題・演習等で評価する。
 また、「アルゴリズムとデータ構造」(選択)や「アセンブリ言語」(選択必修)の履修により情報技術の基礎から応用を理解・習得させ、応用力を試験及び課題・演習等で評価する。
 上記必修科目のうち5科目を取得する。

以上、(C-1), (C-2), (C-3)の必要な必修科目に加えて、上記選択必修科目と大項目(D)の選択必修科目のうち34単位以上を取得することにより、学習・到達目標を達成する。


(D)工学専門科目

 専門科目の必修「電気回路T,U」「電磁気学T」「機構学」「材料力学」「専門英語」の履修により機械工学と電気電子工学の複数分野の基礎的専門知識をバランス良く学び、試験や演習・レポートにより評価する。                              
 さらに選択必修科目の「電磁気学U」「電子回路T,U」「ディジタル回路」「センサ工学」「電気機器T,U」「パワーエレクトロニクス基礎」「材料基礎」「基礎半導体工学」「機能性材料」「システム工学」「工業数学」「機械力学」「機械材料」「制御工学T,U」や、選択科目の「電子デバイス」「集積回路工学」「生産工学」「流体力学」「熱力学」「宇宙工学入門」「宇宙画像処理体験」の履修により、機械工学・電気電子工学を中心とする複数の専門分野による融合的な知識を学び、試験や演習・レポートにより評価する。
 また実習形式の必修科目「総合システムPBL」「図形情報科学」「設計製図」,「総合システム工学実験T,U」の履修により、実践的な課題に対する解決能力を習得し、与えられた課題に対する報告書やレポート、プレゼンテーションにより評価する。
 また卒論関連の必修科目「総合システム工学ゼミナール」・「卒業研究プロジェクト」において、各自の卒業研究プロジェクトに関連した調査研究を含んだ卒業論文を期限内に提出させ、審査会を通して研究背景の理解度、研究計画の立案能力と課題解決能力を、所定の評価項目に沿って複数教員によって評価する。

 上記必修科目のうち13科目と、上記選択必修17科目と大項目(C)の選択必修科目から34単位以上を取得することにより、学習・到達目標を達成する。


(E)問題解決力とリーダーシップ

 必修科目のPBL科目「総合システム工学入門PBL」「情報PBL」「実践プログラミングPBL」「計算数理工学PBL」「総合システム工学PBL」の履修により、少人数グループによる自主的な課題設定の内容と課題解決能力をレポートとプレゼンテーションにより評価する。
 卒論関連の必修科目「総合システム工学ゼミナール」・「卒業研究プロジェクト」において、各自の卒業研究プロジェクトに関連した調査研究を含んだ卒業論文を期限内に提出させ、審査会を通して研究背景の理解度、研究計画の立案能力と課題解決能力を、所定の評価項目に沿って複数教員によって評価する。
 また、選択科目の「キャリア形成入門」「インターンシップ実習」「理数教育体験T,U」及び「サイエンス工房」においては、レポート、口頭発表または試験により評価する。

 上記科目のうち、5科目のPBL科目と卒論関連の2科目の単位を取得することにより、学習・到達目標を達成する。


(F)国際的に通用するコミュニケーション能力

 必修科目のPBL科目「総合システム工学入門PBL」「情報PBL」「実践プログラミングPBL」「計算数理工学PBL」「総合システム工学PBL」と卒研関連の「総合システム工学ゼミナール」「卒業研究プロジェクト」のプレゼンテーションにより評価する。
 英語の必修科目「総合英語AT,AU」「総合英語BT,BU」「総合英語CT,CU」「専門英語」により基本的な語学力を評価する。
 英語以外の語学では、選択必修科目「基礎ドイツ語AT,AU」「基礎中国語AT,AU」、さらに「基礎ドイツ語B」「ドイツ語A,BT,BU,CT,CU」「基礎中国語B」「中国語A,BT,BU」「ロシア語T,U」「韓国(朝鮮)語T,U」により基礎を学び、試験で評価する。
 さらに、選択科目「中級英語T,U」「上級英語AT,AU,BT,BU,CT,CU」「技術英語T,U」では、より高度な英語を学び、試験により評価する。

 上記科目のうち、必修科目であるPBLの5科目、卒研関連の2科目、総合英語の6科目、および「専門英語」の単位を取得し、選択必修科目において「基礎ドイツ語AT,AU」もしくは「基礎中国語AT,AU」のいずれか2科目と、その他の選択必修科目から1科目以上の単位を取得することにより、学習・到達目標を達成する。


(G)数学教員や工業教員

数学教員免許を取得する場合に関して、
 確かな基礎学力と複数の専門分野に関する高度な知識を有する数学教員としての能力を身につけるために必修科目の「線形数学T、U」「解析学T」「微分方程式」「統計学」「情報PBL」「情報処理基礎」「情報処理応用」「実践プログラミングPBL」「計算数理工学PBL」の履修により数学に関する専門教育科目を修得する。試験、演習、レポート、作品、またはプレゼンテーションによって評価する。
 さらに「代数学」「解析学U」「複素解析学」「制御工学T」「応用数理A,B,C,D」「アルゴリズムとデータ構造」「アセンブリ言語」「ディジタル回路」「工業数学」等の履修により専門教育科目の知識を深める。試験、演習、レポートによって評価する。
 また、教職に関する専門科目「教科教育法(数学)I、II」を履修し、試験によって評価する
 上記の科目から、必修の専門教育科目10科目と「教科教育法(数学)I、II」の単位を取得するものとする。

工業教員免許を取得する場合に関して、
 確かな基礎学力と複数の専門分野に関する高度な知識を有する工業教員としての能力を身につけるために必修科目の「力学基礎」「基礎電磁気学」「電気回路T」「電磁気学T」「電子回路T」「材料基礎」「機構学」「職業指導」の履修により工業教員に関する専門教育科目を修得する。試験、演習、レポートによって評価する。
 さらに「電気回路U」「電磁気学U」「電子回路U」「センサ工学」「電気機器T」「基礎半導体工学」「電子デバイス」「機能性材料」「材料力学」「機械力学」「熱力学」「機械材料」「流体力学」「図形情報科学」等の履修により専門教育科目の知識を深める。試験、演習、レポートによって評価する。
 また、教職に関する専門科目「工業教科教育法」を履修し、試験によって評価する。
 上記の科目から、必修の専門教育科目7科目と、必修以外の専門教育科目1科目以上、および「工業教科教育法」の単位を取得するものとする。

共通の教職に関する科目(必修)に関して、
 教育に関する基本的な知識や教育方法の能力を身につけるため、教職に関する専門科目「教育原理」「教育心理学」「教職論」「教育社会学」「教育課程論」「特別活動の指導法」「生徒指導」「教育相談」「教育方法」「教育実習」「教育実践演習(高)」、そして教育職員免許法施工規則第66上の6に定める科目「日本国憲法」「スポーツ運動学実技A,B」「健康スポーツ科学論」「総合英語AT,AU」「情報リテラシー」を履修し、試験、演習、レポートによって評価する。

 以上、上記の数学教員あるいは工業教員に必要な科目の単位と、共通科目の全ての単位を取得することにより、学習・到達目標を達成する。


●主要な科目のシラバスはこちらのページで参照できます。


総合システム工学科のHPへ戻る